備え方の基礎知識

防災グッズは何から買うか|水・トイレ・明かり・情報の順に埋める考え方

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結論から言うと

先に買うべきものは「止まると生活が回らなくなる順」で決まります。水・トイレ・明かり・情報の4つを薄くでも埋めてから、リュックや家具固定に進むのが無理のない順番だと私は考えています。

この記事でわかること

  • 防災リュックを一式買うより、先に「止まると困る順」に4つを埋めるほうが現実的
  • 断水で最初に行き詰まるのは飲み水ではなくトイレだった
  • 自治体の配布物や家にあるもので代用できる部分は買わなくていい
  • 備蓄日数の目安は公的機関の公開資料を確認して決める

防災グッズを買おうと思って検索すると、必要なものが数十個並んだリストが出てきます。私は最初にそれを見て、結局どれから手をつければいいのか分からなくなりました。結論から書くと、止まったときに生活が回らなくなる順に埋めるのが一番迷いません。私の場合は水、トイレ、明かり、情報の4つでした。

✅ ここだけ読めばOK

買う順番は「代用しにくいもの」から。水と携帯トイレは家にあるもので代わりが利かず、災害後に買い足すのも難しい。明かりと情報はスマホやモバイルバッテリーで一時的にしのげる余地があるぶん、後回しにできます。リュックや家具固定は、この4つが薄くでも埋まってからで間に合います。

リストを上から順に買うと、たいてい途中で止まる

私が防災を意識したのは、数年前の台風で自宅が3日間停電したときです。それまでは、数年前に買った防災リュックを玄関の物入れに入れたきりで、一度も開けていませんでした。停電した夜に引っ張り出したら、中の懐中電灯に入れっぱなしだった乾電池が液漏れしていて、そのまま使えませんでした。

そのとき分かったのは、「一式そろえた」という安心感と、実際に使える状態であることは別物だということです。そして、そろえること自体も一度に全部は無理だということでした。防災グッズの一覧は親切に作られているものほど項目が多く、上から順に買っていくと予算も置き場所も途中で尽きます。

だから私は、リストを「順番」で捉え直しました。全部そろえることを目標にせず、止まると困る順に薄く埋めていくという考え方です。

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液漏れした懐中電灯を見たとき、正直かなり気まずかったです。備えていたつもりで、点検を一度もしていなかった。買うことより、使える状態を保つことのほうが難しいと思い知りました。

買う前に、自宅の条件を確認する

順番の話に入る前に、ひとつだけ先にやることがあります。自宅がどういう災害を想定すべき場所なのかを確認することです。

浸水の想定がある地域と、まったくない地域では、優先すべきものが変わります。垂直避難で足りるのか、そもそも早めに家を出る前提なのかで、持ち出し用に寄せるか自宅にとどまる前提で備えるかが変わるからです。これは商品を選ぶ話より前段にあります。

確認先は ハザードマップポータルサイト(国土地理院) と、お住まいの自治体が配っている防災マップです。自治体のサイトには、避難所の場所や、給水拠点の一覧が載っていることもあります。給水拠点が徒歩圏にあるかどうかで、水をどれだけ買っておくかの判断も変わります。

⚠️ 注意点

自治体の想定は更新されます。数年前に見たきりの場合は、もう一度確認してください。私が住んでいる地域も、途中で想定が変わっていました。

1つめ:水は代用が利かない

順番の1番目に水を置いたのは、単純に代わりがないからです。

停電のときは、うちのマンションは給水ポンプが止まって水も出なくなりました。マンションの場合、停電と断水はセットで来る可能性があります。戸建てでも、断水そのものが起きれば同じです。

飲み水は最低限としても、実際に足りなくなるのは飲む以外の用途でした。手を洗う、食器を洗う、体を拭く、といった生活用水です。これらは飲用より必要量が多く、しかもペットボトルの備蓄からは意外と早く消えます。

何日分そろえるか

ここは当サイトで一律に断定しません。世帯の人数、住まいの階数、給水拠点までの距離で必要量が変わるためです。目安は 内閣府 防災情報のページ総務省消防庁 防災マニュアル の公開資料に示されていますので、そちらを確認して自分の条件に当てはめてください。

私が意識しているのは、日数そのものより「取りに行けない前提で何日もつか」です。エレベーターが止まったマンションの上階から、水を担いで階段を往復する現実的な回数を考えると、想像より備蓄を厚くしておく判断になりました。

ローリングストックで置き場所問題を軽くする

備蓄用の長期保存水は場所を取ります。そこで、普段飲むミネラルウォーターを少し多めに買って、古いものから使って買い足す、いわゆるローリングストックを併用しています。この方法だと「備蓄用の棚」を新設せずに済みます。

長期保存水を使う場合は、賞味期限の管理をカレンダーやスマホのリマインダーに入れておくのが現実的です。5年保存と書かれていても、入れっぱなしにすると私のように点検を忘れます。

水・非常食の備蓄の比較
アイテム実売の目安保管優先度向いている家庭
長期保存水(5年・2L×6本)約2,200円場所・点検が要る★★★★★収納に余裕があり、まとめ買いで済ませたい家庭
長期保存の非常食セット(5年)約9,000円場所・点検が要る★★★備蓄の入れ替えを管理する時間が取りにくい家庭
ローリングストック(普段の食品を多めに買う)代用可省スペース★★★まず出費なしで備蓄を始めたい家庭

価格は各ショップの販売ページで確認できた実売の目安です(2026年8月時点)。防災用品は災害の発生直後に品薄・高騰することがあり、表示価格と実際の購入価格は一致しません。必要な量は家族の人数・年齢・住まいの条件で変わります。備蓄量の目安は内閣府や消防庁の公開資料をご確認ください。

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長期保存水を買い足すなら

長期保存水(5年・2L)

2L×6本 / 賞味期限5年前後

実売 1,500〜3,000円前後(1箱あたり)

価格と在庫は各ショップの販売ページでご確認ください

2つめ:断水で最初に行き詰まったのはトイレだった

これは経験するまで想像できていませんでした。断水したとき、私が最初に困ったのは飲み水ではなくトイレです。

水が出なければ流せません。マンションの場合は、配管の状況によっては水を汲んで流す行為自体が推奨されないことがあります(下の階に逆流する可能性があるため)。実際、断水時の対応として「排水管の点検が済むまで流さないでください」という掲示が出ることがあります。

つまり、水を確保していても、トイレの問題は別に解決しておく必要があります。ここに気づいていなかったのが、私の一番大きな抜けでした。

携帯トイレは回数で数える

携帯トイレは「何個入り」で売られていますが、必要数は人数×1日の回数×日数で決まります。1人1日あたり5回前後と見積もると、3人家族で3日なら45回分になります。パッケージの入り数と見比べると、想像より多く必要だと分かるはずです。

凝固剤の量と、使用後の袋の処理方法(消臭の有無、口の閉じ方)は商品によって差があります。購入前に販売ページの記載を確認してください。私は使用感を実際に比べたわけではないので、ここは商品説明から読み取れる範囲の話として書いています。

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携帯トイレを備えるなら

簡易トイレ(凝固剤つき)

凝固剤+汚物袋 / 1人1日5回が目安

実売 2,000〜6,000円前後(回数で変わる)

価格と在庫は各ショップの販売ページでご確認ください

捨てる場所も考えておく

意外と抜けるのが、使用済みの袋をどこに置くかです。収集が止まっている間、家の中に保管することになります。ふた付きのバケツや、防臭袋を一緒に用意しておくと現実的です。これはホームセンターや、家にあるもので代用できる部分でもあります。

3つめ:明かりは「置ける光」があると生活が変わる

停電した夜、最初はスマホのライトを使っていました。ただ、スマホを照明に使うと、肝心の通信手段のバッテリーを削ります。しかも手に持つ光なので、両手が塞がって家事ができません。

そこで役に立ったのが、置いて周囲を照らせるタイプの明かりです。テーブルに1つ置くだけで、食事や片付けの体感がまったく変わりました。懐中電灯は移動用、ランタンは滞在用、と役割が違います。

電池式か充電式か

電池式は、電池さえあれば使えるのが利点です。ただし私のように入れっぱなしで液漏れさせると使えません。保管するときは電池を抜いておき、電池は別にパックのまま置いておくのが無難です。

充電式は普段使いしやすい一方、停電前に充電が切れていれば意味がありません。どちらか一方に寄せるより、私は両方を1つずつ持つ形にしました。

主要アイテムの比較
アイテム実売の目安保管優先度向いている家庭
LEDランタン(電池・充電両用)約3,500円省スペース★★★★夜間に小さな子どもや高齢の家族がいる家庭
防災ラジオ(手回し・乾電池・USB)約5,000円省スペース★★★★スマホの電波が不安定になりやすい地域の家庭

価格は各ショップの販売ページで確認できた実売の目安です(2026年8月時点)。防災用品は災害の発生直後に品薄・高騰することがあり、表示価格と実際の購入価格は一致しません。必要な量は家族の人数・年齢・住まいの条件で変わります。備蓄量の目安は内閣府や消防庁の公開資料をご確認ください。

⚠️ 注意点

ろうそくは、余震や停電時の混乱の中で使うには火災のリスクがあります。私は使わない前提で備えています。

4つめ:情報は「電源」と「受信手段」の2階建て

情報の優先度が4番目なのは、最初はスマホでしのげるからです。逆に言えば、スマホが落ちた瞬間に一気に困ります。

停電が長引くと、まずモバイルバッテリーが尽き、次に基地局側の予備電源も持たなくなることがあります。私の地域では通信自体は生きていましたが、電波が不安定になる時間帯がありました。

電源側:容量は「何を何回動かすか」で選ぶ

モバイルバッテリーは、スマホを何回充電できるかで考えます。家族の台数×日数を掛けると、必要容量の見当がつきます。

ポータブル電源まで行くと、扇風機や小型家電も動かせる範囲に入ります。ただし価格帯が大きく変わるので、水とトイレを埋める前に手を出すものではないと私は考えています。導入する場合も、定格出力と容量、そして安全に関する表示を購入前に確認してください。医療機器(在宅酸素や人工呼吸器など)に使う可能性があるなら、必ずメーカーと主治医に確認してください。ここは自己判断で決める話ではありません。

停電対策(電源・明かり・情報)の比較
アイテム実売の目安保管優先度向いている家庭
LEDランタン(電池・充電両用)約3,500円省スペース★★★★夜間に小さな子どもや高齢の家族がいる家庭
大容量モバイルバッテリー(20000mAh前後)約5,000円省スペース★★★★まず1つ目を買うなら、ほとんどの家庭がここから
防災ラジオ(手回し・乾電池・USB)約5,000円省スペース★★★★スマホの電波が不安定になりやすい地域の家庭
ポータブル電源(1000Wh前後)約95,000円場所・点検が要る★★★戸建てや広めの住まいで、置き場所と予算を確保できる家庭

価格は各ショップの販売ページで確認できた実売の目安です(2026年8月時点)。防災用品は災害の発生直後に品薄・高騰することがあり、表示価格と実際の購入価格は一致しません。必要な量は家族の人数・年齢・住まいの条件で変わります。備蓄量の目安は内閣府や消防庁の公開資料をご確認ください。

受信側:ラジオは「電池が切れても何とかなる」経路を持つ

スマホが使えなくなったときの受信手段として、手回しやソーラー充電に対応したラジオがあります。手回しは実用的な発電量ではないという話もありますが、ラジオを短時間鳴らす程度なら選択肢になります。

気象や避難の情報は 気象庁 や自治体の発信が一次情報です。SNSで流れてくる情報は、発信元が公的機関かどうかを確認する癖をつけておくと、混乱が減ります。

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情報の受け皿を用意するなら

防災ラジオ(手回し・充電併用)

AM/FM・ワイドFM / 手回し・乾電池・USB

実売 3,000〜8,000円前後

価格と在庫は各ショップの販売ページでご確認ください

買わなくていいものも、はっきりさせておく

ここまで買うものの話をしてきましたが、全部を買う必要はありません。私が「買わなくてよかった」と思っている部分を挙げておきます。

  • 自治体が配っているもの:防災マップ、簡易的な備蓄品、家具固定金具の助成など。自治体によって内容が違うので、まず窓口やサイトを確認してください。東京都防災ホームページ のように、自治体が防災情報をまとめて公開している例があります。
  • 家にあるもので代用できるもの:ゴミ袋、ラップ、養生テープ、新聞紙、クーラーボックス。防災用として売られているものと、普段使いのものが同じ役割を果たす場面は多いです。
  • 食べ慣れないもの:非常食は「食べられるか」が重要です。私は保存食を買う前に、普段食べているレトルトや缶詰を多めに置く形から始めました。アレルギーがある場合は、パッケージの表示を必ず確認してください。
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一式そろった防災セットは見た目の安心感がありますが、中身の何割かは家にあるもので足りました。逆にセットに入っていない携帯トイレのほうが、実際には必要でした。

4つが埋まったら、次はリュックと家具固定

水・トイレ・明かり・情報が薄くでも埋まったら、次の段階です。

持ち出し用のリュックは、自宅にとどまれない場合の備えです。中身は在宅用と重なる部分がありますが、「担いで動ける重さ」に収める必要があるので、選び方が変わります。既製品のセットを土台にして、自分の条件(薬、眼鏡、子どもやペットの事情)を足していくのが現実的です。

家具の固定は、買うものというより工事に近い作業です。ただ、効果としては地震そのものによるけがを減らす方向なので、優先度としては決して低くありません。賃貸の場合は、壁に穴を開けない突っ張り式や粘着式が選択肢になります。設置方法は製品の説明に従ってください。

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持ち出し用の土台をそろえるなら

防災リュック(1人用セット)

リュック+基本アイテム一式 / 1〜3日分

実売 8,000〜20,000円前後(中身の点数で変わる)

価格と在庫は各ショップの販売ページでご確認ください

まとめ

防災グッズは、リストを上から順に買うのではなく、止まると生活が回らなくなる順に埋めていくと迷いません。私の順番は水、トイレ、明かり、情報でした。特にトイレは、経験するまで優先度を見誤りやすいところです。

そして、買う前に自宅の条件を確認すること、自治体の配布物や家にあるもので代用できる部分は買わないこと。この2つで、必要な出費はかなり絞れます。

備蓄の日数や量については、当サイトで断定せず、公的機関と自治体の公開資料を確認して自分の条件に当てはめてください。防災用品は被害を減らすためのもので、無事を約束するものではありません。そのうえで、できる範囲から順に埋めていくのがいいと思います。

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よくある質問

防災リュックのセット商品を買えば足りますか?

出発点としては手軽ですが、それだけで完結する前提では考えないほうがよいと思います。セットの中身は持ち出し用に寄っているため、自宅にとどまる場合に必要な水やトイレの量は別に用意することになります。中身の一覧を購入前に確認してください。

予算が少ないときは何を優先しますか?

私は水と携帯トイレを先に確保しました。どちらも代用が難しく、災害後に買い足しにくいためです。明かりと情報は、家にあるスマホやモバイルバッテリーで一時的に代替できる余地があります。

備蓄は何日分そろえればいいですか?

自治体や公的機関の資料で目安が示されています。住んでいる地域や住まいの条件で変わるため、当サイトで一律の日数を断定はしません。内閣府や消防庁の公開資料と、お住まいの自治体の案内を確認してください。

あさひ

2019年の停電をきっかけに備え直し、以後は半年ごとに中身を点検

首都圏のマンションに住んでいます。数年前の台風で3日間の停電と、その後の断水を経験しました。それまで防災リュックを買ったきりで一度も中身を開けたことがなく、いざというときに電池が液漏れしていた側の人間です。防災の専門家ではありませんが、そのあと自分で買い直して、実際に家で使ってみたものについて書いています。名前はペンネームです。

どういう基準で書いているか